アルベルト・アインシュタイン(1879〜1955年、ドイツ生まれの理論物理学者)が100年前に予言した一般相対性理論の証である「重力波」をアメリカの研究チームが観測に成功したという。
そのニュースは世界中を駆け回り茶の間の話題を集めた。 日本のテレビニュースでも冒頭で紹介されたが、その報を伝えるキャスターやコメンテーター自身が肝心の重力波がいかなるものかについて「ちんぷんかんぷん」の状態であった。
空間がゆがんだり、時間が伸縮するなどという話は「肌身に感じて考えられない」というわけである。
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かってアインシュタインは「6歳の子供にもわかるように説明できなければその物事を理解したとは言えない」という名言をのこしている。
いわんや大の大人が理解しないような解説ではまったく事態が理解されているとは思えない。 かって長野県の安曇野に位置する中学校で行った「宇宙の構造とメカニズム(2003年12月2日、開催)」と題した講演で、私もまた同様の課題に直面した。
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その詳細は 本講演録の全編
をお読みいただければ幸いであるが、アインシュタインの相対性理論に関する私の解説は以下の各章で紹介されている。
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表題の「太った人の時間はゆっくり進む」とは「第11回
伸び縮みする空間と時間」の中で相対性理論における重力場の様相を子供たちに説明する際に使った表現である。
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また蛇足ながら、その講演では「宇宙の果て」、「時間の始まりと終わり」という人類がいまだに解けない超難問の解説にも挑んでいる。
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講演をおえてしばらくして子供たちからの便りが届いた。
読み進めていくうちに目から鱗が落ちるように事態が明瞭になっていった。 純真無垢な言葉で綴られた掛け値なしの感想は、持って回った大人の論評の到底およぶところではなく、人跡未踏の紺青の海底にちりばめられた珠玉の輝きのように感じられた。
真理を教えられたのは私のほうであった。 「負うた子に教えられ」とは実にこのことである。 只々、ひとつ、ひとつの珠玉がゆっくりと、そしてしなやかに育まれ、みごとな真珠に成長することを願うのみである。
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