Linear 長野県穂高東中学校にての講演(2003.12.02)より

宇宙の構造とメカニズム
Turn

(17)人類が解けない謎

 なかなか時間のない中で説明するのは非常に難しいんで、話を割愛しなくちゃいけないんですけども。

 次に皆さんが一番大きな問題だと思うことですけども、私も皆さんぐらいの時には「ふたつの大きな疑問」を抱きまして。

 ひとつは「宇宙の果て」という問題ですね。皆さんも考えると思うんですけども、宇宙の果てはどうなっているのかということですね。

 もうひとつは「時間の始まりと終わり」ですね。時間の始まりはどんなもんなんだと。あるいは時間の終わりとはどんなもんなんだと。

 これを考えていると大体ノイローゼになっておかしくなるんで、あんまり考えないほうがいいわけですけども、皆さんもちょっと考えると、宇宙に果てがないということが非常におかしくおもうと思うんですね。

 これだけ科学が発達した社会で、人類が解けないものを突き詰めていくとその「ふたつ」なんですね。

 つまり宇宙の果てっていうのは説明できない。あるいは時間の始まりと終わりが説明できない。これはいま世界の科学者、超一流の科学者でも説明できないわけです。
 あとのあらゆることは人類っていうのは解いているんですけども、このふたつだけは解けない。

 私も子供の頃には、非常にある種のショックっていうんですかね、恐怖感っていうかそういうものを感じた記憶があります。

 今それを自分なりに考えた時には、宇宙の果てっていったときに、宇宙を「容器」という考え方をした場合には絶対解けないですね。つまり宇宙っていうのは「ひとつの入れもの」であると。入れものっていう考え方をしたときには、では入れものの外側はどうなっているんだってことになるわけですね。

 もうひとつの時間っていう考え方も、時間は「流れる」っていう感覚を持つとこれは解けないですね。時間が流れているっていうことになると、どこから最初始まったんだということになりますから。
 つまりビックバンだといっても、ではビックバンの前の時間はどうなっているんだというような話になって、永遠と時間の果てまで続いていっちゃうわけですね。


copyright © Squarenet