Linear 長野県穂高東中学校にての講演(2003.12.02)より

宇宙の構造とメカニズム
Turn

(12)時空間の光速の旅

 これ→(E=mc2)は、アインシュタインの「アインシュタイン方程式」っていうんですが、もうひとつニュートンの立てた「運動方程式」の中でこういう式→(E=1/2mv2)、があるんですね。

                            (板書)
            E=mc2・・・・・アインシュタインの方程式(物質のエネルギ式)
            E=1/2mv2・・・・ニュートンの方程式(運動のエネルギ式)

 これ→(E=1/2mv2)は「運動方程式」で、例えば自動車ですね、自動車の重さがmで、vというスピードで動いている場合ですね、この自動車のエネルギですね、運動エネルギはこの式で示されるわけです。

 E=1/2mv2 っていうんですが、これが例えば自動車の重さ(m)100キロ(Kg)で、スピード(v)50キロ(Km/h)で動いているとすれば、100×50×50 ですね、50を2回掛けて2分の1するとこの自動車の持っているエネルギが出てくるわけです。

 これ→(E=mc2 と E=1/2mv2)を見たときに非常に似ているでしょう、これ。

 cは光の速度ですね。vは自動車の速度ですね。ここに1/2っていうのがついてますけども、これはまああんまり考える必要はないですね。

 つまり mc2 っていうのと mv2 っていうこれを見てももらえばいいんですね。これ→(mv2)は、ニュートンが考えた運動方程式。こっち→(mc2)は、アインシュタインが考えたエネルギ式なんですね。

 これで見るとつまり mv2 のvがcになっただけですね。

 そうすると、じゃあどういうことかっていうことなんですね。これ→(mc2 )は、今まで物質のエネルギだってさっき説明しましたけども、逆にいうと宇宙が光速で飛んでいるということもいえるわけです。

 ですから自動車がvという速度で走っていると言いましたけども、mc2 でいくと宇宙全体の重さがmだとしますね。これが光速cで突っ走っていると。

 ですから私も皆さんも光速で宇宙をどこか飛んでいっているんですよ。どっちの方向かわかりませんけども、光速で飛んでいっているということになるわけです。

 ですから原子爆弾のエネルギっていうのは、さっき言ったように物質の質量が減った分だけエネルギに変ると言いましたけれども、逆にいうと光速で走っている車が壁にぶつかったみたいなものですね。
 ですから例えば重さ100キロ(Kg)の車が光速(30万Km/s)ですね。1秒に地球7周り半ですね。地球7周り半もするようなスピードで重さ100キロ(Kg)の車が壁にぶつかったらどのくらいのエネルギかという感じですね。

 全く同じことをいっているわけですね→( アインシュタインの E=mc2 とニュートンの E=1/2mv2 )。ですからこれ→(E=mc2)は、別名「宇宙の慣性エネルギ」とも言われているんですね。つまり宇宙が光速で、どっちの方向かわかりませんけども飛んでいる。

 ですから我々は時空間を光速で旅しているともいえるわけですね。

 皆さんも、3年生ぐらいになると芭蕉の「奥の細道」というのを勉強するんじゃないかと思うんですが、その「奥の細道」の最初の序文ですね「月日は百代の過客にして行き交ふ年も又旅人也・・」という「奥の細道」の序文が出てくるんで、皆さん暗記させられるんじゃないかと思うんですけども、芭蕉は月日、つまり時間は旅人だとこう言ったわけですね。まさに芭蕉が言ったごとく、月日っていうのは旅人なんですね。

 先ほどロケットが光速に近づくと時間は0になってしまうと言いましたけれども、つまりその時間の速度って考えるんですね。時間に速度があるのかっていう話なんですが、実は私流に考えると時間っていうのは光速なんですよ。
 ですから皆さんが1秒経ったって、1秒経ちましたって言うかもしれませんけども、逆に私からすると、地球7周り半しましたと。つまり宇宙の中を地球7周り半のスピード(30万Km/s)で1秒移動したというふうに言えるわけですね。この式からするとそうなる。

 ですから、我々はこういうその時間というカプセル、時間という宇宙船にみんな乗っているわけですね。

                      楕円形の宇宙船(板書)

 これ→(楕円形の宇宙船)が、皆さんの宇宙ですね。時間っていう宇宙船に乗っていると。これが光のスピードで→(宇宙船の進行方向に矢印を板書)、宇宙空間をどっちの方向かわかりませんけども突っ走っている。

 ですから日々、今もそうなんですが、その我々が住む宇宙空間全体が光の速度で何処かへ飛び去っているんですね。

 これが今のこの2つの式→(E=mc2 と E=1/2mv2)から導かれることなんです。

 ですから芭蕉はまさに、文学者であるとともに科学者であると思うんですけども・・「月日は百代の過客」なんですね。

 ですから、よく「光陰」っていう言い方しますけども、

                          光陰(板書)
 
 「光陰矢のごとし」なんて言いますね。光陰っていうのはつまり時間のことをいっているわけですね。時間のことをどうして光陰っていうか。

 つまり光の速度と時間の速度って同じなんですね。

 ですから時間が経過するっていうことは、つまり時間が光速で飛び去っているということですから、今言ったように時間というその宇宙船に乗って我々は光速で旅しているという結論になってくるわけです。


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