自らの思惟は、この世のあらゆるものを制御し、包含し、破壊し、創造する。自らの意識が、この思惟に至った時にこそ、この世での自己人生の刹那性は連続性を確立し、自己人生の実存性が顕れる。思惟の人生は、思いの巡り逢いを生み、思いの遍歴として昇華し、「それでは皆さん、いつかまたどこかで
・・ 」という辞世の言葉とともに、永遠性に回帰する。そして再び、新たな思惟とともに、いつかまたどこかの世に戻って来るのである。それは未来のこの世であるかもしれないし、また過去のこの世であるかもしれない。この意識メカニズムでは、記憶の世界に好印象を遺すことなど、まったく必要ないのである。思惟こそが、この世の刹那性を保証し、自己人生の実存性を保証し、無の世界と有の世界の連続性を保証する。
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