現代量子物理学では「観測問題」と呼ばれる概念が重要な役割を担っている。それは宇宙自然界を規定するシュレジンガーの波動方程式に出てくる「波動関数」の収縮問題としてとらえられる。簡潔に断言すれば波動関数の収縮とは「あるものを観測することによって新たな宇宙が発生する」ことである。これを逆に論じれば「観測されない宇宙は存在しない」ということになる。宇宙空間の局所で新たな星が観測されることで宇宙は「そこまで拡大」する。換言すれば「新たな宇宙が発生」する。と同時に、その星が観測されるまでは、そこには宇宙は存在しない。「観測によって発生する宇宙」と「選択によって制作される未来」は互いに強い相似性を漂わせている。
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