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技術解説書 / スクエアメカニズム

 平成 07年4月28日 初版第1刷発行
 著者 柳沢 健
 発行 創造庵
 全180ページ

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 機械メカニズムに対称性基準を適用すると構造の対称性としての「普遍的形状である□」の機能的対称性と運動の対称性としての「普遍的循環数である4」の機能的対称性が導かれます。
 導かれた2つの機能的対称性を従来の機械メカニズムに適用することで「スクエアメカニズム」は開発されました。


 “ 機械メカニズムの研究とは 直感的であるをもって詩的であり 抽象的であるをもって芸術的である ”

第 1 章 スクエアの認識
 1. 遺伝子的な合意事項としてのスクエア認識
 2. スクエア認識の入れ子
 3. 基本的座標軸の発生
 4. スクエアから導かれる4の認識
 5. スクエアからキュービックへの拡大

第 2 章 メカニズムの基本要素

第 3 章 直線運動スクエアメカニズム
 1. 4辺荷重支持
 2. 4辺駆動
 3. 4辺予圧
 4. ダイレクト駆動
 5. トーション効果

第 4 章 回転運動スクエアメカニズム
 1. スクエア回転
 2. スクエア相対回転
 3. スクエア回転運動と直線運動の変換

第 5 章 直線運動スクエアメカニズムの応用展開
 1. スクエアロボット
 2. スクエア歩行ロボット
 3. スクエアテーブルロボット

第 6 章 回転運動スクエアメカニズムの応用展開
 1. スクエア回転システム
 2. スクエア相対回転システム
 3. スクエア回転運動と直線運動の変換システム

第 7 章 直線運動と回転運動の複合スクエアメカニズム

第 8 章 スクエアメカニズムの未来




「スクエアメカニズム」刊行にあたり

 機械メカニズムの開発は抽象的であり、直感的なインスピレーションが左右する研究である。電気や電子工学は日進月歩のスピードで技術が進歩発展しているのに比べ機械工学の進歩発展は遅々として進まない。
 機械要素であるギアはあくまでもギアであり、チェーンはチェーンである。エンジンのメカニズムはクランク方式であり、ポンプや水車はインペラ方式である。これらのメカニズムは長い歴史をもってしても画期的な進展はいまだなされていない。

 この原因は機械工学と電気・電子工学の開発手法の違いにあるのではないかと私は考えている。電気・電子工学は理論化され数式化されたロジックな思考から研究開発がなされる。頭脳で言えば左脳的な知識や記憶が優先される世界である。他方、機械工学は即物的であり経験的な情感から発する思考により研究開発がなされる。頭脳で言えば右脳的な直感や勘が優先される世界である。

 ひとことで言えば、機械工学の開発はアナログ思考であり、電気・電子工学の開発はデジタル思考である。

 ではアナログ的であり、直感的であり、抽象的である機械メカニズムにどのように挑むことが最もふさわしいのであろうか。直感的とは詩的であり文学的である。抽象的とは芸術的であり哲学的である。では機械メカニズムの研究とは詩的で文学的で芸術的で哲学的なものなのであろうか?私の見解はまさにそうである。機械メカニズムの基本ベースは工学的知識であろうが、それは直感的インスピレーションによって認識が飛躍した後に必要なものであって、この認識の飛躍なくして機械メカニズムの創造的開発はありえないのである。また機械メカニズムの研究開発には電気・電子工学にあるようなマニュアルが存在しない。ある事柄を一瞬のうちに認識し理解するためには従来の知識にこだわっていては発想がさまたげられて認識は飛躍しないのである。

 私はスクエアメカニズムの研究開発においてさまざまな角度からアプローチを試みた。ある時は文学をもって、またあるときは哲学をもって、また詩的に芸術的に、そのどれもがこの研究開発には有効であった。ある物事に通ずる真理はどのアプローチからの認識においてもまた真理であったのである。この手法を使ったがゆえにスクエアメカニズムは開発されたと私は今確信している。

 「独創は闘いにあり」とは半導体技術において数々の画期的開発を成し遂げられた西澤潤一博士が言われた言葉であって、座右の銘にしてきたものである。スクエアメカニズムの開発過程もまさにそのようであった。独創的開発を主導することの難しさや忍耐と信念の大切さを身をもって教えられた次第である。

 しかし、今ここに至って振り返れば、それらもまた楽しい日々であったといえる。一介の技術者としてこのようなテーマに巡り会い情熱を傾け得たことは技術者冥利に尽きることであり、その中でさまざまな人と出会い多くの助力、助言、叱咤激励を与えられたことは私の最も幸せとするところである。これら多くの人の協力なくしてこの開発の達成はありえなかった。そのひとりひとりに心から感謝しともに喜びたいと思う。

 開発に費やした歳月は振り返れば走馬燈のように私の記憶の中に甦ってくる。なつかしき輝ける時代として画してあまりある。
                                                        1994.09.26 著者


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