Pairpole 宇宙モデル

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Pairpole 宇宙 の構造とメカニズム



− 科学哲学的なアプローチから考えられた宇宙モデル −

人類にはいまだ解けない謎が2つある
ひとつは空間に関するもので「宇宙の果てとは?」という謎であり
もうひとつは時間に関するもので「時間の始まりと終わりとは?」という謎である
この2つの謎を解くためには、宇宙に「果てはなく」、時間に「始まりも終わりもない」とあっさり受容すればよい
分かり易い概念に還元すれば、宇宙に「大きさはなく」、時間は「流れない」ということである

< 本稿は著書「Pairpole」(創造庵刊 / 平成11年2月28日初版第1刷)にてリリースされました >


ペアポールの発生と波動運動の発生
 無(真空)から突如、陽(陽電子・反物質)と陰(電子・物質)の対極(ペアポール)が発生する。ペアポールは正反対の性質をもち互いに引き合う力(引力)を内在 しており、時間が作用することにより時間の矢に添って波動運動が発生する。宇宙の創世である。
 本稿では宇宙を時間軸にそって断面した空間を「連続的アナログ空間」と呼び、宇宙を時間軸と垂直に断面した空間を「刹那的デジタル空間」と呼んでいる。我々は今の今という瞬間、時間が点である刹那的デジタル空間に存在している。物質は波動性と粒子性 の2面性をもっているが、刹那的デジタル空間ではペアポールは「粒子性」を発現する。この粒子性は対称性構造を発生させ、ペアポールは互いに直線的に近づき、また遠ざ かるように観測される。時間が連続する連続的アナログ空間ではペアポールは「波動性」を発現する。この波動性は循環性運動を発生させ、ペアポールは互いに波動曲線的に近づき、また遠ざかるように観測される。


ペアポール波動運動の2次元平面的表現
 ペアポールの波動運動を2次元平面的に表現すると位相が180度異なる正対する「2重波動曲線」となる。しかし、我々が通常観測できる波動は陽波動の波動性であり、本稿ではこれを「実空間波動」と呼び、陰波動は我々が通常観測できない波動性であり、「虚空間波動」と呼ぶ。私はこの実空間波動と虚空間波動の2つの波動を「あざなえる縄」という言葉で表現した。つまり、ものごとは常に禍福は一体であり、利害は一体であり、清濁は一体であり、正邪は一体であり、生死は一体であり・・・一体である。我々は虚空間波動を観測することが通常できないために正対する片極を欠落させてしまっている。「人間万事塞翁が馬」という諺もこの正対する2重波動の構図を述べている。陽波動を実空間波動とし、陰波動を虚空間波動としたのはどちらかを実とした時、反対側が虚という意味であり、女性から述べれば陽波動が虚空間波動であり、陰波動こそ実空間波動ということになろう。


ペアポール波動運動の3次元立体的表現
 ペアポールの波動運動を3次元立体的に表現すると位相が180度異なった正対する「2重螺旋曲線」となる。この構造は遺伝子DNAの構造と同じである。このペアポールの2重螺旋運動が我々の存在する宇宙にさまざまな現象と多種多様な彩りを発現する「基本的メカニズム」である。


ペアポールの振り子運動
 ペアポールの2重螺旋運動はペアポールのエネルギ交換から発生する「振り子運動」により継続される。ペアポール2重螺旋運動は陰陽の極点が180度正対する位置から互いに逆回転で一方の中立点に近づき、最接近した地点で互いのエネルギを交換す る。例えば、陽は陰に陽エネルギを注入し、陰は陽に陰エネルギを注入する。 エネルギを注入された陽は陰の性質に転換し加速され陰の極点に向かう。またエネルギを注入された陰は陽の性質に転換し加速され陽の極点に向かう。ともに180度正対する位置で速度は最高速に達する。そして、この点を過ぎると再びペアポールはエネルギを消失し、減速しながら他方の中立点に近づき、最接近した地点で今度は逆方向にエネルギを交換する。つまり、陰は陽に陽エネルギを注入し陽は再び陽の性質に転換し加速され、陽は陰に陰エネルギを注入し陰は再び陰の性質に転換し加速される。そして、再び180度正対する位置で速度は最高速に達する。これを次々と繰り返し、ペ アポールの2重螺旋運動は継続される。

 このペアポールのエネルギ交換による振り子運動がペアポールが互いに陽の極点・陽から陰への中立点・陰の極点・陰から陽への中立点の4つの基準点を経過する波動循環運動を発生させるメカニズムを構成する。私はこの連続的アナログ空間の波動循環運動法則を「Squarefour理論」として体系化した。



スクエアの発生
 ペアポールの波動運動には4つの基準点が存在する。陽の極点・陽から陰への中立点・陰の極点・陰から陽への中立点の4点である。ペアポールの陰陽と混同しがちであるが、陰波動の中の陰・陽・中立であり、陽波動の中の陰・陽・中立という意味で の4点である。この4つの基準点で空間を囲むと□(スクエア)が発生する。我々が存在する刹那的デジタル空間で発現する対称性構造の基本形である。名刺が、机が、テレビが、半導体ICチップが、部屋が、ビルが、敷地が、面積が□(スクエア)な形状となった必然性はここに存在する。私はこの刹那的デジタル空間の対称性構造法則を「Square理論」として体系化した。


表と裏の発生
 ペアポールの2つの陰陽波動の互いの4つの基準点は刹那的デジタル空間に2つの□(スクエア)を発生させる。この2つの□(スクエア)は互いに正対称な裏・表の面を構成する。つまり、用紙が裏と表で、空間が光と影で構成される必然性はここに存在する。どちらを表、どちらを裏とするかは人間意志の自由である。用紙はどちらかを表とすれば、その反対側は裏となる。


ひも状物質
 無から生まれる電子(物質)と陽電子(反物質)のペアポールは物質の根元であることは物理学者ディラックの説明するところである。この宇宙に存在する物質はこの微粒子ペアポールの集合体である。無から生まれる陰陽ペアポールは時間の矢に添って波動運動するが、この微粒子ペアポールの集合体である物質もまた時間の矢に添って波動運動する。人間も猫も犬も松も物質であるが、この物質は連続的アナログ空間では時間の矢に添って延びた「ひも状物体」として存在し波動運動している。しかし、我々が目撃できる空間は時間軸に垂直な刹那的デジタル空間であり、この空間では物質は粒子性を発現しており個別物体として存在している。ひも状の人間やひも状の猫が目撃される連続的アナログ空間を我々人間が見ることができないのはひも状物体の波動速度が光速度(つまり、時間の速度)であることと、我々の意識波がそのひも状物体の波動速度と同一のためである。

 つまり、刹那的デジタル空間とは高速度カメラ による宇宙連続撮影の1枚1枚の写真の世界であり、連続的アナログ空間とはその1枚1枚の写真が積層された世界である。我々の人生とはひも状の波動媒質(これを人間ひもと呼ぶ)に添って伝わる波動運動のひとつの波の進行である。波動媒質である人間ひもの出発点では次々と波は生起 し、波動媒質である人間ひもの上を次々と時間の矢の方向に伝達され、人間ひもの終着点では伝達されてきた波が次々と消滅している。この波の進行が人間意識の進行である。我々の意識は永遠に生まれ続け、生き続け、死に続けている。つまり、この人間 ひもの上を進行するひとつ波(意識波)の進行がひとつの人生を構成している。通 常、我々は人間ひもの出発点で生起されたひとつの波(意識波)の発生を「誕生」と呼び、終着点に至ったひとつの波(意識波)の消滅を「臨終」と呼んでいる。しかし、波動媒質である人間ひも自体が発生したり消滅するわけではない。この宇宙にいったん現れた物質ひもは永遠に存在し続け、この宇宙に現れない物質ひもは永遠に現れないのである。つまり、物質ひもは宇宙に存在しているのである。
 哲学者ニーチェは「永遠回帰」という思想を提起した。時間は環状を成し、未来に向かうと過去に至り、過去に向かうと未来に至るという考えである。我々は何度も何度も同じ人生を繰り返すというのである。ニーチェはこの思考を哲学的な自己人生の克己の構造として着想し追求したのである。悲喜劇が一体になった自己人生の繰り返 しを受け入れることが真の自己自立への道(超人への道)であるとしたのである。私の追求した宇宙構造が別の道をたどりニーチェに似た思考に至ったのは大変に興味深い点である。



ウェーブコイル・宇宙モデル
 ひも状物質がどのように生起され波動運動するのかを説明する宇宙構造モデルが「ウェーブコイル・宇宙モデル」である。この宇宙モデルの着想コンセプトは電磁コイルによる「電磁誘導現象」である。電磁誘導とは導電コイルに電気を流すとそのコイルの内側空間に磁界が発生する現象である。宇宙の外殻にはスパイラルに流れる気の流れがあり、その気の流れが内側空間に「波界」を発生させる。つまり、「波動誘導」である。このスパイラルに流れる気流を「ウェーブコイル」と呼ぶ。ウェーブコイルの波動誘導メカニ ズムは電磁コイルの電磁誘導メカニズムと等価である。磁気は波気に置き換わり、磁界は波界に置き換わり、磁力線は波力線とな り、磁束は波束となる。ひも状物質は波界の中に形成された波束の波力線に添って生起され、波動運動する。ウェーブコイルはコイル半径0、波束密度無限大の状態(現代物理学ではこの点をビックバンと呼ぶ)から徐々にコイル半径が増加し、それとともに波束密度も平均分布化していく。

 臨界点に至ると増加していったコ イル半径は徐々に縮小に向かい再びコイル半径0、波束密度無限大の状態(現代物理学ではこの点をビッククランチと呼ぶ)に至る。ウェーブコイルは全体として紡錘形を成し連鎖している。この宇宙モデルではビックバンとビッククランチは同じものであり、無限大を無限大で相殺する「くりこみ的手法」で特異点は解消される。



刹那宇宙
 ウェーブコイルを時間軸に垂直に断面した宇宙が「刹那宇宙」である。我々が観測する宇宙の眺望はこの刹那宇宙の風景である。最近の天文学は宇宙に散在する銀河星団が「蜂の巣状」に分布していることを明らかにした。つまり、物質が集中して存在する空間 とまったく物質が存在しない空間とによって宇宙が構成されているのである。この蜂の巣状の銀河星団(物質)の分布がウェーブコイルの波動誘導によって生起された波束密度の分布を現している。そして波束密度の高い空間に物質が生起されるのである。


連続宇宙
 ウェーブコイルを時間軸に添って断面した宇宙が「連続宇宙」である。我々はこの宇宙を観測することができない。ウェーブコイルの波動誘導によって発生した波束はビッ クバン点とビッククランチ点の間に誘起している。この波束(波力線)に添ってひも状物質(銀河ひもや人間ひも等)が生起し波動運動している。


連鎖状ウェーブコイル
 ウェーブコイルは連鎖状を成し振動している。この振動はギターの弦を弾いた時に形成される「弦振動」と似ている。つまり、弦振動は振幅0の「節」と振幅最大の「腹」 から成る振動連鎖である。ウェーブコイルの振動構造はこれと等価であり、振幅0の 「節」がビックバンであり、ビッククランチである。


環状連鎖ウェーブコイル
 連鎖状ウェーブコイルは環状を成し、その環状連鎖状ウェーブコイルが連環してい る。この連環の中心には「ウェーブ核」が存在する。この構造は原子構造と等価であり、原子核のまわりに電子の波があるとしたド・ブロイの原子構造である。この波は「定常波」と呼ばれ、弦振動によって発生する波と同種なものである。この定常波はド・ ブロイ波長のある特定の値において発生し、波長のそれぞれの値は電子の軌道に対応 している。マクロ宇宙を追求したウェーブコイル・宇宙モデルは究極においてミクロ宇宙の「原子モデル」に至る。量子論が述べるボーアの「量子跳躍」やシュレジンガーの「波動理論」が適用されるモデルである。望遠鏡で眺めていた世界が実は顕微鏡で眺 めていた世界であったという説明が最も的確にこの状況を物語るであろう。これは「宇宙のフラクタル(入れ子)構造」であり、宇宙はある定数(自然の基本定数)をかけ算する毎に「同じ構造」が現れるのである。


環状連鎖ウェーブコイル群
 環状連鎖ウェーブコイルは群を成し宇宙空間に散在している。この風景はまた池の水を顕微鏡で覗いた時に見える風景でもある。大宇宙と小宇宙の区別はどこにもな く、細部は全体であり、全体は細部である。つまり、宇宙には大きさはなく、構造のみが存在するのである。我々自身が一杯のコップの水の中の宇宙に存在しているのか、池の水の中の宇宙に存在しているのか、はたまた大海の水の中の宇宙に存在しているのか特定することは永遠に不可能である。あれよりこれが大きいとか、小さいとか、遠いとか、近いとかのサイズの概念は我々人間が生活上の必要性から創った概念であり宇宙の概念としては適用できない。この人間が創ったサイズの概念が「宇宙の果て問題」を発生させた。つまり、宇宙の果てはどうなっているのかという問いである。この問いを解いた人は未だいない。それは大きさという概念をもってして考えるからであり、この概念を捨て去ればこの問題は難なく解ける。つまり、宇宙とは仕組みという概念であり、大きさという概念ではない。

  大きさという概念がなきところに宇宙の果という概念はもとから存在しないのである。 この仕組みこそが宇宙の構造でありメカニズムである。 この宇宙の仕組みがなぜにこのようなのかは、もはや神のみぞ知るところであろう ・・・。

柳沢 健




ペアポール宇宙モデルに寄せて
 著書 「Pairpole (ペアポール)」 の発刊は平成11年2月28日(初版第1刷発行)です。 この著作に至る数年間は私にとって最も思考活動に勢いがあった時期でした。 あらゆる予見が交錯するとともに次々にアイデアが形となって昇華していったのです。 その結実が 「Pairpole 宇宙モデル」 であったわけです。
 この宇宙モデルの分類を 「科学哲学的宇宙モデル」 としたのは、科学的思考が行き詰まれば哲学的思考をもって突破し、逆に哲学的思考が行き詰まれば科学的思考をもって突破することで探求を進めていったからです。 科学には特異点と呼ばれる科学理論が破綻してしまう限界点があります。 その先には科学的思考をもってしては進むことはできません。 ゆえに別次元の視点をもつ哲学的思考を使ってその科学的特異点の解消を画したのです。
 さらにこの宇宙モデルの構築には 「ホロニック」 という思考概念が大きく関わっています。 ホロニックとはどんな部分にも全体の動向がふくまれているような関係にあるひとつの 「部分=全体系」 のことを言います。 ここでは宇宙を構成する個々の部分に宇宙全体がもつ根源的秩序が入れ子状に内蔵されているとともに相互に連携していることを述べています。 私たちは部分と全体を同時に見ることはできませんがホロニックなネットワークでは両者の応変を同時にとらえることが可能なのです。 依って 「Pairpole 宇宙モデル」 にはそのホロニックネットワークであるブノワ・マンデルブロの 「フラクタル構造概念」 が随所に織り込まれています。 それは細部である 「原子構造(原子核を周回する電子の構造)」 と全体である 「太陽系構造(太陽を周回する惑星の構造)」 の相似的等価性であり、工学的な 「電磁誘導理論」 の宇宙物理学的な 「波動理論」 への転用等々です。
 またこの宇宙モデルの副題を 「宇宙の構造とメカニズム」 としたのは、私自身が機械工学を専門分野とする技術者であったからに他なりませんが、もともとこの宇宙モデルの構築には限られた専門分野にこだわることなく、あらゆる分野を分け隔てなく統合することで観えてくるものを目指していました。 必要とあれば、いかなる学際をもクロスオーバーして 「知のワンダーランド」 に挑んだのです。
 もとよりいかなる学説や理論でも、もともとは不完全なものであって、当面、矛盾なく現象や事態を説明できるというだけのものです。 もしその論の説くところに矛盾がでてくれば、たちまちにしていかなる学説や理論であっても、破棄される運命にあります。
 「Pairpole 宇宙モデル」 は自らの思考が及ぶ限りの認識を矛盾なく妥当性をもって説明しているとした宇宙モデルですが、この宇宙モデルがあらゆる学際をクロスオーバーした 「知的冒険」 によって導かれた論であることを考えれば疑義百出は無理からぬことであってさけることはできません。 しかしながら、知のワンダーランドを拓く者が頼るべきは 「人倫の天秤」 ではなく 「宇宙の天秤」 なのです。


知的冒険エッセイ/時空の旅
〜 ベストエッセイセレクションから 〜
2011年9月23日(毎日新聞)「光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か」の報に接し
その実験結果の意味するところを考察するとともに問題の核心を明らかにする
「時は流れず」とは過去と現在と未来が時間で連続していないことである
過去と未来は意識世界の存在であって運動をともなった実在としての現在とは本質的に異なる
そのような異質な世界の間を貫いて均質的な時間が連続して流れているとは
相当の妥当性をもって考えることができない
反骨の哲学者 | 相対性理論が意味するもの | 運動を時間で分解することはできない
流れているものとは | 過去と未来の発生現場 | 夢幻のごとく | 石の舟
ディラックとマヨラナの物質(粒子)と反物質(反粒子)についての予見が何を意味し
2人の天才物理学者が眺めた世界とはいかなるものであったのかを考える
消えた天才物理学者を追う | 真理のかたちとは
パラレルワールドはSF小説にしばしば登場するがその実在感はタイムマシンほどに希薄である
だが世界の先端的物理学者は大真面目でその存在を信じている
平行宇宙 | どこにもいて、どこにもいない
視点を異にするさまざまなアプローチから宇宙の真象に迫る
微分か積分か? | 刹那か連続か? | 時間か空間か? | 線か面か?
不確定性原理が包含する不確定の意味とは何か
量子の2重性 | 時間の不確定性 | 多世界宇宙解釈
意識が物質を発生させるのか? それとも 物質が意識を発生させるのか?
皇帝の新しい心 | 自然は芸術を模倣する | 発見か発明か | 他我問題 | ウィトゲンシュタインの言葉
共時性にともなって物質世界に現れる事象のありえない確率とは何か
ふと発生する宇宙 | ありえない確率 | 無と有の狭間 | 直観的場面構築と歴史的場面構築
6歳の子供にもわかるように説明できなければその物事を理解したとは言えない
時空間の同一性はいかにして保証されるのであろうか?
私の1時間とあなたの1時間の同一性はいかに保証されるのであろうか?
時空間の同一性 | タイムシフトウィンドウ | 想いで迷子 | あの道がこの道であること
行き詰まった世界を打開する新たな地平とは何か
知らない宇宙は存在しない | あなたあっての宇宙 | 犬も歩けば | 意識の地平
主体は世界に属さない | アロサの黒婦人
新たな世界に至る時空のトンネルとしてのワームホールの可能性とは
イバラードの奇妙な店 | 意識と光速 | 有と無の狭間 | 思惟半跏像への回帰 | 思惟と共時性
我、ワームホールに跳躍せり | 多世界宇宙解釈 | 宇宙とは現象である | 余話として
華厳経とPairpole宇宙モデルの相似性に着目するとともに
「宇宙とは仕組みである」とする本宇宙モデルの帰結を検証する
時空は永遠と無限の狭間に現象と心象の狭間によるべなく漂っている
永遠と無限の狭間 | 現象と心象の狭間
ファインマンは いろいろな出来事を時間の順序で並べるのは的はずれであって
すべての経路を加算すれば 実験者が観察する最終的な量子状態に至っている と主張した
経路積分(歴史総和法)
逆因果律とは時間経過にしたがって現れる原因と結果の順序を逆にした独自の因果律である
この逆因果律とファインマンが提唱した経路積分は紙の表裏であって
同じことを別々の視点で述べているにすぎない
弘法大師空海が遺した「太始と太終の闇」と題された偈(詩文)から
空海が描いたビックバン宇宙論を考察する
イギリスの天才科学者シェルドレイクが提唱した「形態共鳴仮説(シェルドレイク仮説)」とは
自然に存在する生物の特徴的な形と行動や物理と化学のあらゆるシステムの形態が
過去にあったと同じような形態を継承することを述べている
形態共鳴仮説
「ホロニック」とはどんな部分にも全体の動向がふくまれているような「部分=全体系」 のことである
私はホロニックの胎動を「宇宙内蔵秩序」と位置づけ「細部は全体 全体は細部」と表現している
ホロニックの系譜 | 宇宙モデルへの展開 | 知的ツールへの展開 | 意匠デザインへの展開 | 細部と全体
博士の日常と我々の日常を分け隔てているものは「はなはだ曖昧」で頼りない「意識的記憶」でしかない
かく考えれば、映画「博士の愛した数式」は「時は流れず」を証左するために企画された
「ひとつの思考実験」のようにもみえてくる
運動をともなった現在で構築されている現実は 意識で構築されている過去や未来とは 本質的に異なる
現実とは何か さまざまな現在から思索する
過去よさらば | 現在の構造 | 救済される現在
人間の知能が考え得る科学的法則の大半が発見し尽くされた今、科学は終焉したと言われている
実のところ科学は終焉してしまったのであろうか?
右脳の達人 | 直観に内蔵された普遍性
誰ひとりとして各々の相対的宇宙が積層した絶対的宇宙を眺めることはできない
私には貴方の心を知る方法がないばかりか貴方の存在さえ知る方法がない
科学的宇宙と哲学的宇宙 | 唯心論的物理学 | 予定調和の構造 | 貴方の宇宙と私の宇宙
思考実験の同期性 | 神の存在証明
時間と空間が消失してしまった世界を想像することは
物質文明に慣れ親しんできた者にとっては 非情なる困難 をともなう
しかしながら このような世界を完全に否定し捨て去ってしまうこともまた 非情なる困難 をともなう
この世の不可解はかくも無窮であって 進みゆく 知のワンダーランド は尽きることがないのである
線形時間の廃棄 | 連なった世界と重なった世界 | 時空の消失点
物質宇宙を追求すると意識宇宙に帰着し 意識宇宙を追求すると物質宇宙に帰着する
まさに宇宙は般若心経が教える 「色即是空 空即是色」 の世界のようである
意識宇宙の実存性 | 物質宇宙の実存性 | 色即是空の物理学
宇宙を存在させているのは物質とそれにともなうエネルギであることは疑いのない事実である
だが人間が所有する意識(精神)が宇宙の存在に不可欠であるかどうかは定かではない
以下の 「4つの風景」 はその不確かな人間意識を土台にして構築されている
現代情報社会の真相がいかなるものかを示す 「時空の断面図」 である
大いなる欠落 | 大いなる賭け | 大いなる矛盾 | 大いなる危機
自らが生きている物質世界とは 自らの意識世界が投影した 「物質場」 であるとともに
自らが生きている意識世界とは 自らの物質世界が投影した 「意識場」 である
物質場とは 「現実としての場面」 が展開される世界であり
意識場とは 「想像としての場面」 が展開される世界である
意識的場面と物質的場面 | 直観的場面構築と歴史的場面構築 | 曼荼羅の世界 |
ニューヨーク・タイムズ紙は 「確信の終焉」 を論じた
プリゴジンの著書 「混沌からの秩序」 をあまりに危険すぎるとして論評を差し控えた
もし科学が確信をもたらすことができないのであれば いったい 「何を信じたらよいのか?」 というのである
若き日のトラウマ | 混乱の増幅 | 確信の終焉 | 時は流れず |
科学の終焉はまた知的探求の終焉であって問うべき問いが尽き果てたとき
人間としての精神的高揚感もまた終焉を迎えることになる
問いの終焉 | 絶望の彼方 | 存在者の終焉
宇宙は 「発見」 されるのか? それとも 「発明」 されるのか? 2つの世界の狭間を探求する
発見される宇宙と発明される宇宙 | 自力本願と他力本願 | 心象世界と現象世界
色即是空と空即是色 | 自然は芸術を模倣する | 即身への回帰
想像は自由に飛翔することができる だが その想像の飛翔は現実によって制約される
意識跳躍 | 空海が悟ったもの | 永遠の生命 | 進化する頭脳の救済法 | 大いなる秘術
止観 | 三界の狂人と四生の盲者 | 即身は瞬間にあり | 即身の秘術 | 想像の夏と現実の夏
信長の即身〜是非もなし | 信じる者は救われる | 繁栄の代償 | 絵に描いた餅 | 創造と想像 | 夢見る人
物理学的視点から現代情報社会の様相を探求した社会学的物理学
社会学的インフレーション理論 | 社会学的不確定性原理 | 社会学的カオス理論
コロナ禍に端を発する混乱は社会をカオスに導いてしまった
その社会は物理学の 「カオス理論」 が論ずる 「複雑系」 が支配する宇宙である
カオス社会の物理学的解析 | カオス社会からの脱出法
過去・現在・未来が連なった 「線形時間」 を廃棄すると我々が生きる宇宙はごく 「シンプルな構造」 へと収束する
時間が流れない 「今の今」 という 「現在だけの世界」 である
時は流れず | 軌跡の消失 | 軌跡のない日々 | 時間も空間もない世界 | 現在だけの世界 | 認識と直観の狭間
現在とは現象である | 現在場の構築メカニズム | 道元禅師かく語りき | 曼荼羅の世界
細部は全体であり 全体は細部である
宇宙のフラクタル構造を多面的視点から探求する
ローカル社会とグローバル社会 | 1人を救うものは世界を救う | 利休の世界と秀吉の世界
華厳経の世界観 | 宇宙とは仕組み
時間が進むにつれて 「事の曖昧量」 と言われるエントロピが増大することは物理学が証明したところである
時間が急速に進む情報化時代であってみれば
その増大速度も鰻上りに上昇することは不可避であって受け入れざるをえない
社会がより曖昧に乱雑に無秩序に複雑化して 「混沌とした社会」 が到来することは
すでにして 「予測されていた」 ことである
混沌とした社会 | 進歩しない社会 | 宇宙のこころ | 宇宙の終焉
物質で構成された現象世界である 「外なる世界(遠くの世界)」 は
コンピュータ技術を使った情報ネットワークであらゆる情報を瞬時に知ることができるようになった
知のワンダーランドはもはやそこには存在しない
意識で構成された心象世界である 「内なる世界(近くの世界)」 に存在するのである
知のワンダーランドは何処に | 知のワンダーランドとは何か
量子もつれの実証が意味するところは重大である
2つの時空が光速を超える速度(瞬時)で連絡しあっているなどという現象は
相対論的な科学理論を絶対視してきた者にとってみれば驚天動地のことであって信じることはできない
それは異次元の時空を繋げる 「ワームホール」 や過去と未来を行き来する 「タイムマシン」 を見るような錯覚を覚える
それを可能とするものがあるとすれば宇宙を瞬時に縦横無尽に飛び回ることができる意識以外に他にない
実証された量子もつれ | 量子もつれと皇帝の新しい心 | 物質的存在論から意識的存在論へ
宇宙とは意識的観測による現象である
ここに登場した物理学者は、物理学者というには 「いささか風変わりな科学者たち」 である
ともに多分に直観的であり、文学的であり、暗示的である
数学にはあまり頼らないで、隠喩や類比を拠り所にするところも共通している
彼らがこだわるのは 「新たな理論がいかなる思考から生まれるのか?」 というアプローチ方法の違いである
デビット・ボームかく語りき〜宇宙の内蔵秩序 | ロジャー・ペンローズかく語りき〜皇帝の新しい心
リチャード・ファインマンかく語りき〜物理学の終焉
知のワンダーランドをゆく
数学に基づいた時空の旅〜量子論に基づいた時空の旅〜時間も空間もない宇宙構造に基づいた時空の旅
線の旅人と面の旅人 | 経路積分紀行 | 軌跡のない旅
時空間から物空間への転換
宇宙を時間と空間で構成された 「時空間」 から物質と空間で構成された 「物空間」 へと
思考転換したことで 「見えてきた世界」 がいかなるものかを描く
物空間の物理学的意味 | 物空間の芸術的意味 | 物空間の社会学的意味
宇宙が現象であるならば
それは 「物質的現象」 なのか? それとも 「意識的現象」なのか?
現象としての宇宙 | 意識的現象としての宇宙 | 人間の存在理由
2023年度のノーベル物理学賞とノーベル化学賞の様相は
「宇宙は仕組みであって大きさにあらず」 という私が描いたこの世の実相を図らずも如実に物語っている
大きな宇宙と小さな宇宙 | 連結する宇宙と重層する宇宙 | とある街角にて
量子論では物質としての身体が消滅しても 「精神としての魂」 は存在し続けるとされている
もしかかる予見が真理であるとすれば、前世で体験したかのように感じる既視感の存在は
その 「生き続ける魂の存在証明」 なのかもしれない
縁とは何か | 縁の構図 | 縁の総量 | 思いの風景 | 生き続ける魂のありか
他我問題の解消 | 死後の世界の解明 | 魂の復元
密教の中心仏である大日如来は 「宇宙仏」 であるといわれる
その宇宙を体現した大日如来を弘法大師空海は 「零」 であるという
それは 「最大であるとともに最小である」 という
それはまた 「どこにもいてどこにもいない」 という
零の世界 | 仏とは何か | どこにもいてどこにもいない
有史以来、人類が確固として信じてきた
「時は流れる」 という線形時間による時間概念を廃棄することには
大いなる 「意識跳躍」 を必要とする
大いなる錯覚 | 経路積分 | 正法眼蔵
この論考は経路積分から思考されたものである
そうであれば 「信州つれづれ紀行」 とは
自らの体験をもって試行された
「実験的経路積分紀行」 と題されてしかるべきである
どこにもいてどこにもいない | 風景の物語 | 立原道造の風景
「軽井沢文学散歩」 が行き着いた意識的世界は
物質的世界を描いた 「時間も空間もない現在だけで構成されたシンプルな宇宙」 そのものであった
大森荘蔵の哲学、ポール・ヴァレリーの文学、ジョージ・シーガルの芸術が私の中で不可思議な縁のループを描いて
「新たな宇宙構造」 に行き着くことなど思ってもみないことであった
不可思議な時空のめぐり逢い
共時性との遭遇には 「空間的な場所」 が深く関わっている
その場所には未知なる世界につながる時空トンネル(ワームホール)が開口しているかのようである
それはまた、日本人ノーベル賞学者、江崎玲於奈博士が発見した江崎ダイオードの 「トンネル効果」 のようである
スイス、ドイツ、イタリアにて | セゾン現代美術館にて | カダケスにて | 妙高高原にて | 信濃三十三観音札所にて
リチャード・ファインマンが 「量子力学の精髄」 と呼んだ 「二重スリット実験」 は
宇宙の量子論的解釈の始まりとなった画期的な実験であった
19世紀初頭に行われたヤングのスリット実験は 「光の波動説」 を決定づけ
量子力学が発展した20世紀になると電子のような粒子を用いた二重スリット実験が行われ
量子力学の基礎である 「波動と粒子の二重性」 が明らかにされた
二重スリット実験 | 平行宇宙 | 経路積分 | 多世界宇宙
空海が創始した真言密教の 「秘密曼荼羅の世界観」 は
現代理論物理学が語る 「量子力学の世界観」 を観るようである
内なる宇宙の大を図る | 秘密曼荼羅と量子論 | 究極の自由とは | 即身の完成
「エントロピ増大の法則」 とは物質世界での現象を述べたものではなく
意識世界の現象を述べたものではないかとする 「仮説」 の想定
この仮説が正しければ 「不確実性社会のゆくすえ」 に 「一筋の光明」 が見えてくる
社会学的インフレーション理論 | 社会学的不確定性原理 | 自己組織化 | 混沌からの秩序
生まれいずる混沌 | 確信の終焉 | カオス社会の構造理論 | 大いなる仮説


思考実験としての 「時空のランダム選択」 体験サイト
 時空の消失点 「時間も空間もない世界」 で描いた 「過去と未来は現在に含まれている」 とする構造は 「時間の重層的構造」 を述べ、「細部は全体であり 全体は細部である」 とする構造は 「空間の階層的構造」 を述べています。 これらの時空概念は 「Pairpole 宇宙モデル」 で描いた宇宙像であって、そこではその概念をさらに還元して 「宇宙とは仕組みである」 という 「究極の概念」 に昇華させました。
 以下のサイトはこれらの宇宙構造の体感を目的として構築した 「思考実験システム」 です。 時間も空間もない世界とはいかなるものかを 「時空のランダム選択」 で追体験願えればもって幸いです。
宇宙の物語今日のワンダーランド時空のランダム選択今日のビジョンウィンドウ風景の物語


長野県安曇野市、穂高東中学校で開催された講演「宇宙の構造とメカニズム」


ペアポール宇宙モデルのバックグラウンド
< 関連書籍の紹介 >
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