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奥裾花渓谷(2)
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奥裾花渓谷 / 長野県長野市鬼無里
失われた世界
 奥裾花渓谷は水芭蕉で有名な奥裾花自然園の湿原を源とする裾花川が刻んだ雄大な渓谷であり、奇岩、大岩壁で形づくられた渓谷美は日本百景の1つに数えられている。 2000mを越える戸隠連峰のちょうど裏側(西方)に位置する。 戸隠神社がある表側(東方)からは見慣れているのだがこの方向からの眺めは初めてであって別の山を見るようである。 20代の頃には、この山頂を縦走したこともあったから、この渓谷を上から眺めたはずなのだが、記憶は漠然として甦ってこない。 そして今日はかかる山頂を下から仰ぎ見ているのである。 かくみれば人生まさに 「一期一会」 である。
 ともあれこの渓谷はコナン・ドイルのSF小説 「失われた世界」 のようであった。 というのも樹齢300年〜400年のブナ林の太古の森を逍遙する中で 「ヘビ」 に遭遇すること2度、「トカゲ」 に遭遇すること1度、さらにはたどり着いた観光センターの自動販売機はディーゼル発電機が止まっていて飲むことできず、携帯電話の電波は山間に遮られて用をなさず、およそ現代文明からは隔絶された空間であることを自ら 「目のあたりにした」 からである。 ちなみにバケツに汲まれた清水で冷やされていたジュースを売ってくれた売店のおばさんによれば、冬季の積雪は 7m を越えるとのことである。
2011.06
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