第1879回
「大いなる欠落〜主を失った客」 では、客ばかりを追求することで、ついには主そのものが失われてしまうという欠落について論考した。
他方、「永遠は瞬間にあり」 とする時が流れない現在だけで構成された 「 シンプルな宇宙」
では、意識としての過去や未来ばかりを追求することで、今の今である実在としての現在が失われてしまうという欠落を描いている。 これら
2つの欠落 の構図は等価的である。 客ばかりを追求することで、主そのものもを失ってしまうという構造と、過去や未来ばかりを追求することで、今の今である現在そのものを失ってしまうという構造の本質は同じである。
前者の欠落の本質を 「主を失った客」 と表現するならば、後者の欠落の本質は 「現在を失った過去未来」 と表現される。 どちらもこの世を生きる人間にとっては捨てておけない
「大いなる欠落」 である。
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