未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
即身への回帰
第1391回「
発見される宇宙と発明される宇宙
」から始められた「物質と意識の結びつき」に関する論考は、真言密教を創始した空海の 「即身」 の思想に回帰することで一応の落着に至る。 即身の詳細はベストエッセイセレクション「
即身への道〜想像と現実の融合
」を参照願えれば幸いである。
想像と現実の融合とは「物質と意識の結びつき」で論考してきた2つの世界に関わる 「発見された宇宙と発明する宇宙の融合であり、自力本願と他力本願の融合であり、心象世界と現象世界の融合であり、色即是空と空即是色の融合であり、自然と芸術の融合 ・・ 等々」 である。 それはまた陽明学を創始した王陽明の「考えること(知)」と「行動すること(行)」の融合を説いた 「知行合一」 の思想と相似的等価である。 これらの経緯は知の巨人たちが到達する頂が登る道は異なれど同じであることを示している。
そしてその頂は、第1384回「
問いの終焉
」で論じた哲学者、マルチン・ハイデッガーが至った「なぜいったい、存在者があるのか、そして、むしろ無があるのではないのか ?」という 問うべき問いの最期に位置する 「問いの背景」 をも暗示している。
2020.06.01
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