依って、われわれに入ってくる第2次的な情報系はそのままではあまり役に立たないということになる。
第1次情報系とはヒトが生物史に内属して継承してきた情報系のことをいう。 この第2次的な情報系をすこし正確にストックするには
「ゆさぶる」 ことである。 ちょっと意外かもしれないが、あるものの状態を構造として整えこれを維持しやすいようにしておくには多少ゆさぶっておくことが必要である。
簡単な例でいえば、かたまったままではなんとも形容のつかない土のかたまりも、これを箱に入れてゆさぶってみるといくつもの大小の粒子によって構成されていたことが見えてくる。
そのような 「ゆさぶり」 はひじょうに普遍的な作用をもった力であるのだが、その性質が自然界でどのような役割をもっているのかはごく最近まで知られていなかった。
「構造の維持にはエネルギの散逸が必要である」 と主張したイリヤ・プリコジヌがノーベル賞をとったのはやっと1977年のことだった。
いわゆる 「ゆらぎ」 がにわかに注目されるようになったのはそれからである。
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