Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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色即是空 空即是色〜その解釈とは
 「Pairpole 宇宙」は宇宙の根源的内蔵秩序である「対称性」に基づいた宇宙である。その対称性の究極の源泉は「在るか」、「無いか」という Pairpole である。 在ると無いは対極でありながら1枚の紙のごとく表裏一体である。 在るは無いから生まれ、無いは在るから生まれる。
 以上の Pairpole 構造は、まさに般若心経の中核を成す「色即是空 空即是色」に相似する。だが「在ると思うと無い 無いと思うと在る」というような教義解釈は論理性が破綻していて認識をもってしては意味不明である。
 その論理破綻の原因は宇宙が「ひとつである」と考えるところにある。 もしひとつではなく「在る宇宙」と「無い宇宙」の「ふたつの宇宙」で構成されているとしたらどうであろう?
 それは「線形時間を廃棄」することで導かれた重層的に重ねられた空間構造(第1152回)であるとともに、その重なった空間が互いに時空のトンネルである「意識のワームホール」で繋がっているとした空間構造(第1150回)である。
 これで般若心経の解釈はより 「すっきり」 したものになってくるが、ではそのふたつの宇宙に掛け渡された「意識ワームホール」とはいったい何であろうか? (第1159回 へ続く)

2017.12.20


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