未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
歴史小説考〜連なった世界と重なった世界
通常、歴史小説は時間軸に沿って構成された「連なった物語」であると考えられているが、過去・現在・未来で構成された線形時間が存在せず「過去や未来は現在に含まれている」という「時は流れず」の立場から、この歴史物語を論じれば、歴史小説は時間軸に関係なく構成された「重なった物語」であると考えることができる。
重層的に構成された「ある歴史物語」から、他の「ある歴史物語」への遷移は、非日常的歴識空間に掛け渡された「時空のトンネル(意識のワームホール)」を通過することで可能となる。
ゆえに歴史小説は「連なった世界」の物語として読むだけでなく、さまざまな意識が織りなした「重なった世界」の物語として読むこともまた必要である。
2017.12.12
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