安倍首相は靖国神社参拝に際し、「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げるとともに、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈りしました」と述べた。だが祀られている英霊たちはいったいどのように思っているのであろうか。 死せる者の願いを思いやることこそが、今を生きる者としての感受性であろう。 生きている者は、ときとして現実に目が眩んで、この感受性を喪失させてしまう。 だが生きている者もやがては死している者の仲間に加わっていく。 そのとき、死している者の魂の叫びをいかに聴くのであろうか。 時代の感受性とはそのようなものである。 その感受性を失った生きる者とは、いったい「何もの」なのであろう。
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