未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
共時性に想う(3)〜無と有の狭間
「思考は現実化する」の著者として知られるナポレオン・ヒル(米国、1883〜1970年)は成功哲学の祖とも言われる。 同様に米国で活動したアイルランド出身の牧師、ジョセフ・マーフィー(1898〜1981年)は潜在意識を利用することによって幸福へと導く「マーフィーの成功法則」を提唱した。 どちらも意識世界(精神世界)が物質世界(現実世界)に与える影響について述べている。 換言すれば意識世界から物質世界が発生することを語っている。
本稿、「南無阿弥陀仏に思う(
第723回
)」では念仏としての「観想念仏」と「口称念仏」について述べている。 これもまた意識世界と物質世界の応変について思考したものである。 さらに「思惟半跏像への回帰(
第311回
)」では無の世界と有の世界を繋ぐ意識ワームホールとしての「思惟」について述べている。
これらをまとめると物質世界に影響を与える意識行為として、「思考する」こと、「祈る」こと、「念仏する」こと、「思惟する」こと ・・ 等々の意識操作の動向がかいま見えてくる。 だがこれらの意識操作が「共時性的現象の原因」であるとすることに対する世相の評価はよくみても相半ばであろう。 それらの現象は超因果的であって原因と結果から構成された強固な因果律に基づいている科学的合理主義からすればおいそれとは受け入れがたいのは当然の帰結であろう。
しかしながら「共時性に想う(2)〜ありえない確率(
第911回
)」で述べた各々の現象は、その強固な因果律に基づいた科学的合理主義でもってしても「説明不能な現象」であることもまた「事実」なのである。
共時性に想う(4)〜
直観的場面構築と歴史的場面構築
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2015.12.21
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