世で言う真理が、この世のあらゆるものに従属し、あらゆるものに支配され、あらゆるものに束縛されるものであるならば、その真理は、自己の頭脳からではなく、他者の頭脳から構築された相対的真理である。 他者の頭脳から構築される相対的真理とは、また「社会に迎合する真理」であり、社会に評価されるものこそが、真理であるという「真理基準」に至る。 しかし、この社会評価こそ「あてにならない」ものはない。特に日本社会の評価基準は「ご都合主義」という、時に応じて、いかようにも変化する、まことにたよりない基準で構成されている。このような真理基準から構築された相対的真理が、時に応じて、いかようにも変化する「ご都合主義的真理」となるのは、また当然の結果である。
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