未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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意識のワームホール
有の世界は無の世界を基準とし、無の世界は有の世界を基準とする。善悪と言えど、善の基準は悪の意味をもって定まり、悪の基準は善の意味をもって定まる。
人間は有の世界は見ることはできるが、無の世界を見ることはできない。だが有の世界のそこかしこに、無の世界が漂っている。
無の世界は心眼をもって観ようとすれば観ることが可能である。また無の世界に飛び込み、再び有の世界に戻ることも可能である。
その道筋は、近代物理学が語る、時空のトンネル、「ワームホール」のようである。ワームホールを通れば、何億光年隔たった空間へも、物体は瞬時に移動可能である。
意識のトンネルもまた、この物質のワームホールに等価と考えれば、「意識ワームホール」を通れば、有の世界から無の世界へ、無の世界から有の世界へと、意識は瞬時に移動可能となる。
問題は、この「意識ワームホール」をいかにして発見するかではあるが ・・・。
文 /
柳沢 健
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