未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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パクス・アメリカーナの終焉
アメリカ議会の混乱は今なお継続中であり、「財政の崖」が近づいている。かりに今回その崖を回避できたとしても「遅かれ早かれ」次なる崖がやって来る。世界を牽引してきた強大な覇権国家がこのような状況を迎えるとはにわかには予期せぬことである。栄枯盛衰、歴史に例外なく、始まりあれば終わりあるは世の習い、事の可否に是非はない。
「すべての道はローマに通ず」と殷賑を極めたローマ帝国の時代は「パクス・ロマーナ」と呼ばれた。アメリカが栄える現代は「パクス・アメリカーナ」と呼ばれている。過去の歴史は学べるが、未来の歴史は想像するだけである。
我々はいずれのことを気にかけて生きたらよいか ・・ 過去か? ・・ 未来か? ・・。
「今を生きる」と意気軒昂にして上を向く者がいる。「立ち尽くす明日」と意気消沈にして下を向く者がいる。だがよく考えると両者の姿勢にそうは違いがない。つまり、「今を生きながら明日に向かって立ち尽くしている」のである。
※)パクス・アメリカーナ(ラテン語 / Pax Americana )
「アメリカの平和」という意味であり、超大国アメリカ合衆国の覇権が形成する「平和」である。ローマ帝国の全盛期を指すパクス・ロマーナ(ローマの平和)に由来する。
文 /
柳沢 健
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