※)鬼無里伝説
その昔、この地には京の都から配流された紅葉という美しく高貴な女性がいた。 里長はなにかと京を懐かしむ紅葉の心を察してこの地に加茂川、東京、西京、高尾、二条、四条などいずれも平安の都から名を取った地名をおき、紅葉をなぐさめた。しかし紅葉は、やがて悪者達に担がれて盗賊の首領となり荒倉山に移り住み、旅人を襲って豪勢な暮らしをするようになった。人々は紅葉を鬼女と呼ぶようになり、そのうわさは遠く京の都にまで知れ渡った。朝廷は平維盛に鬼女征伐を命じ、苦戦の末、ついに紅葉狩りを果たしたといわれている。それまで水無瀬と称していたこの地は、以降鬼の無い里、すなわち鬼無里と呼ばれるようになったという。
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