未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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信玄と謙信(8)〜永遠の光芒
風林火山にして自然人、信玄。 毘沙門天にして軍神、謙信。
現実主義者にして実業家、信玄。 理想主義者にして詩人、謙信。
好対照を成す「Pairpole」の彼らであってみれば、天下を奪取することなど、実のところ、どうでもよかったのかもしれない。彼らの上洛の状況をつぶさに眺めれば、沸々としてそんな思いがわいてくる。
彼らが戦国の世に発した火のような熱情は、41歳の信玄と32歳の謙信として、永禄4年(1561年)の川中島における乾坤一擲の激闘の中で、その光芒を永遠の彼方に閃光のごとく放射し、信濃善光寺平、八幡原の時空に昇華 ・・ 夢はもうその先へは往かなかった ・・ ということではあるまいか。
かくして ・・ かかる光芒は天空に架かって煌々と輝き、平成における今も尚、その光彩はいささかも衰えてはいない。
文 /
柳沢 健
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