Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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信玄と謙信(4)〜Pairpole
 謙信と信玄は好対照をなす「Pairpole」である。
 「神」を信奉した謙信と「自然」を信奉した信玄。 「理想主義者」の謙信は「詩人」のようであり、「現実主義者」の信玄は「実業家」のようである。
 川中島の激闘は、還元してみれば「神と自然の闘い」であり、「理想と現実の闘い」であると観ることができる。しかして謙信は軍神、毘沙門天の化身として、理想を掲げ、詩人のように闘い、信玄は自然、風林火山の化身として、現実を掲げ、実業家のように闘ったのである。
 両雄の闘いが激しさを加え、長きに渡っても決着がつかなかった原因は、かかる根元的な「Pairpole構図」にあったとすることができよう。
 ゆえに、永禄4年(1561年)信濃善光寺平、八幡原で交わされた第4回の川中島決戦は、かくも劇的であり、またかくも詩的であったのである。
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