ビジョンウィンドウから眺める信濃の四季
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鴻の巣 / 長野県上田市
隠し砦の三悪人
上田市指定天然記念物(名勝)に指定されている奇景「鴻の巣」である。東西190m、高さ60mほどの崖であり、屏風岩とも呼ばれている。鴻の巣の名称の由来は、昔コウノトリが営巣した場所と伝えられているが定かではない。
鴻の巣の石がどれも海岸の砂浜の石のように丸いのは、はるか昔(約1000万年前)に上田地方が海の底であり、その後の地殻変動で隆起して陸地となり、かくこのように露出したものであることを物語っている。また縄文時代頃までは上田のかなり大きな地域が湖や湿地帯だったようでもある。
訪れるにおいては場所がわからず少々苦労したが、あたりは狭いながらも公園となっており、晩秋の西日を浴びた白い崖が見上げる位置に静かにたたずんでいた。眺める私には、その白い壁面が、この地方がたどったであろう「悠久な時空間」の化石のようにも思われた。「隠し砦の三悪人」のロケ地として使用されたというが、なるほどと納得がいく景観である。
文・撮影 /
柳沢 健
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