昨年11月に訪れたときは、寒冷前線通過中の悪天候の最中であり、閑古として人影なく、落水音だけがむなしく山間に響いていた。今日の清滝は打って変わって目が覚めるような新緑に包まれ、明るく爽快に轟音を奏で、滝壺から立ち上がった水煙は霧のように空中に舞っている。次々に訪れる老若男女の見物客は、シャワーのごとく落下する水滴を顔に浴びながら、今年の夏を、記憶にとどめようとするかのように、しばし滝を見上げては帰っていった。 「夏の思い出
2010」の生成はすぐそこである。 ( この滝は映画「博士の愛した数式」でも登場した。)
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