たどり着いたときにはすでに園内に「蛍の光」が流れ、「ゆりの里」は閉園を告げていた。暑かった一日もようやく終わりに近づき、涼風が吹き抜け、柔らかな西日が山腹を照らし出している。このまま帰るに忍びず、園内を眺める駐車場の縁に三脚を据えて撮影していると、どこか遠方から訪れたのであろうか、1人の観光客(中年おじさん)が、「どこかから中に入れないかな
・・・」と独り言のように、あるいは私にたずねるように、つぶやきながらワイヤーが張られた柵に近づいて行った。見ると柵には「通電中」の看板が、あわてて「電気が流れていますよ」と呼びかけると、しぶしぶ引き返してきた。
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