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ビジョンウィンドウから眺める信濃の四季

窓の向こうに世界が見える〜信州つれづれ紀行から
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富蔵湖 / 長野県筑北村西条
見えそうで見えない
 長野自動車道、麻績IC手前にある富蔵湖は知る人ぞ知る湖である。湖を渡る高架橋の上を走る車のほとんどのドライバーは眼にすることはないであろう。この湖があることを意識して通過する場合のみ一瞬であるが視界にとらえることはできるが、安全運転は保証されない。高速バスなどの車高の高い車に乗ってゆっくりと車窓からの風景を眺める乗客のみが眼にすることができるといった湖である。さらにこの湖の畔にたどり着くことが難しい。私として1度目はたどり着くことができず、2度目にしてようやくたどりつくことができた。「見えそうで見えない」、「行けそうで行けない」場所とは、かくまれにあるものである。日盛りの展望台にはもちろんのこと人影はなく、この夏の始まりを告げる蝉の声だけが響いていた。
文・撮影 / 柳沢 健
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