黒姫高原から野尻湖を経て上信越自動車道に乗り、南下してくると、あたりは一気に明るさが増し、強い陽光の中に飛び出た。そこには真夏のような青空が広がっており、先ほどまでいた霧中の黒姫高原や曇天の下に暗くうずくまっていた野尻湖の世界が、まるでうそのように思える景観であった。そうして立ち寄った「小布施ハイウェイオアシス」は、午後の柔らかい西日に照らされ、撮影には絶好のライティングで輝いていたのである。新緑に染まった樹木は渡る風に葉を白くひるがえし、池の中で吹き上がる噴水の周りには虹が立っている。急いで駐めてあった車に戻り、今日は店じまいをしたはずであった撮影機材をもう一度引っ張り出し、光量が変化しないことを願いながらとって返した。 一日は
・・ そう一日とは「終わりよければすべて佳し」である。
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