アメリカファーストのフラッグをなびかせ黄金に装飾された巨大なトランプトラックが球形の荒野を我がもの顔で爆走していく。
これからカナダを傘下に収め、その先に広がるグリーンランドを買いにいくのだという。 昨日はメキシコ湾をアメリカ湾と改め、パナマ運河を手に入れると豪語し、その舌の根も乾かないうちに、今日は中東パレスチナのガザを所有すると言い放つ。
いずれも他国の領土であるのだが、トランプ氏はそんなことは一顧だにしない。 なにせ彼は不動産王なのである。
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彼をこれほどまでに成りあげさせたものは 「3つの勝利の法則」
であるという。 曰く、「攻撃し続ける、非を認めない、負けを認めない」 である。 不動産王の手法としてはともかく、世界を牽引するアメリカ合衆国大統領の手法としてはいかがなものであろう。
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量子もつれが実証した非局所的宇宙の帰結からすれば、破天荒なトランプ大統領が地球全域を主体的に計れるからといって、周囲
3キロ の局所を主体的に計れるかどうかは定かではない。 何人(なんびと)も細部をおろそかにして全体を生きることなどできないのである。
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パクスロマーナの全盛を誇ったローマ帝国も 200年
程で衰亡してしまった。 パクスアメリカーナを築いたアメリカ合衆国はかくなる 「歴史の轍」 をゆめゆめ忘れてはならない。
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※)パクスロマーナ(ローマによる平和の意)
紀元前27年のアウグストゥスによる帝政確立から五賢帝時代まで約200年間続いた。 広大な版図内の政治と治安は安定し、経済と文化も発展した。
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※)パクスアメリカーナ(アメリカによる平和の意)
第二次世界大戦後、超大国となったアメリカは自国通貨のドルを基軸通貨とする経済体制を確立させ、圧倒的な経済力をもち、軍事的にも唯一の核兵器所有国であった。
だがその影響力にも今やかげりがみられるようになってきた。
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