第1907回
「カオス社会からの脱出法(1)〜時間速度のスローダウン」 では、人間に依存する波動関数の収縮に基づくカオス社会からの脱出法について論考した。
そこでは、人間の観測頻度を低減させることで、新たな宇宙の発生頻度を低減させ、時間速度をスローダウンする脱出法を提示した。 ここでは別の視点からの脱出法について思考する。
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「新たな物理学への展望」
では、これからの物理学の方向性について論考した。 その主題は 「物質的実在論から意識的実在論へのシフト」 であった。 しかしてその核心は
「身の内なる意識的宇宙は身の外なる物質的宇宙である」 とする 「主客の大反転」 である。 かかる課題は、古来より 「唯物論」 と
「唯識論」 の二元論として論争の的になってきた。 これまでは、手で触れ目に見える 「唯物論」 が優勢であったことは、万人が認めるところであろう。
だがここに至って、その形勢は 「唯識論」 に傾きつつあるのだ。
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では物質的宇宙における基本理論である 「シュレジンガーの波動理論」
は意識的宇宙においても適用可能なのであろうか?
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もし身の外に広がる物質的宇宙が身の内に広がる意識的宇宙であるとする対称性を基とする
「等価原理」 が有効であるとすれば、波動理論は意識的宇宙にも適用可能であろう。 ではその方程式における波動関数を収縮させる観測とは
「何を意味する」 のであろう。 物質的宇宙の観測が 「物質的現象」 であるとすれば、それは 「意識的現象」 ということになる。
より具体的に言えば、それは 「意識的心象」 であろう。 意識的心象を観測するとは 「新たな心象」 を見つけることに他ならない。
そうであれば、その心象の観測が、身の内に 「新たな意識宇宙」 をもたらすことに違いない。
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「カオス社会からの脱出法(1)」 が、身の外に広がる物質的現象の観測頻度を低減させ、時間速度をスローダウンすることで、カオス社会からの脱出を目指したのに対し、身の内に広がる意識的心象を観測することで、「新たな意識宇宙へ脱出(ワープ)する方法」
は社会を根本から変革する可能性を秘めている。 それはまた 「ひとりでも」、「すぐにでも」、実現可能である。 だがそのためには、「大いなる意識跳躍」
が必要となることだけは確かなことである。
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