第1903回
「知ることと考えること」 の末尾で述べた 「考えない人間はこの世からお払い箱になってしまうというのであれば、人間を必要とする世界へ移住する以外に他に道がない」
という帰結は、多かれ少なかれ現代人の潜在意識に影響をもたらしているようで 「都会から地方への移住」 がとみに促進されつつある。
それはまた、「人間を必要とする世界」 に向けた希求が日増しに大きくなっている証でもある。
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だが考えてみるに、今までの世界が人間を必要としたかどうかは疑わしい。
自然環境を破壊し、幾多の生物を絶滅危惧種に追いやり、大気や海洋を汚染し ・・ その傍若無人ぶりは目に余る。 お払い箱になっても文句は言えまい。
今さら人間が 「考えないこと」 をもってお払い箱になるなどとは 「厚かましい口上」 以外の何ものでもない。 「過ちて改むるに憚ること勿れ(過ちを改めるに遅すぎることはない)」
とは、世で常用されることわざではあるのだが ・・ 畢竟如何。
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