未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
真理に是非はない
以下は、
第1782回
「かくあるか 是非もなし」 からの抜粋である。
この世のすべては 「かくある」 であって、工夫はそこから始まる。 かくあるを 「かくなし」 として対処すれば進路は迷走に陥る。 それは現代日本の姿である。 マイナンバーカードにして、子育て支援にして、その混乱の主因は、かくあるものを、かくなしとしたことによって陥った迷走である。
抜粋の中で書いた 「かくある」 とは、換言すれば 「真理」 のことである。 真理に対して 「真理でない」 として対処すれば、進路が迷走することは当然のことである。 その真理はこの世の都合で(忖度で)、どうこうできるものではなく、受け入れる以外に他に手立てがないものである。 信長はそれを 「是非もない」 と言ったのである。
日本人がかくなる真理を追究しなくなって久しい。 本音(真理)と建前(虚偽)を使ってこの世の処世とするとはそういうことである。 以来、人は落ち着きを失い、迷いの渦中に埋没してしまったのである。 真理が 「生きるための基軸」 であることは忘れられていいことではない。
2023.07.17
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