未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
かくあるか 是非もなし
この世のすべては 「かくある」 であって、工夫はそこから始まる。 かくあるを 「かくなし」 として対処すれば、進路は迷走に陥る。 それは現代日本の姿そのものである。 マイナンバーカードにして、子育て支援にして、その混乱の主因は、かくあるものを、かくなしとしたことによって陥った迷走である。
戦国の英雄、信長が本能寺で放った最期の言葉 「かくあるか 是非もなし」 は、この世のかくあるに、迷うことなく槍を手に取って光秀に対峙した信長の覚悟がいかなるものかを如実にあらわしている。 それにくらべ、現代日本の政治家が発する 「是々非々で対処します」 という言葉は、いかにも中途半端で覚悟のかけらも感じられない。 この世のかくあるに、かくなしで対応しようとする心根が見え透いている。 混迷はますばかりである。
2023.07.08
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