この写真家は世界各地を旅し、自然の偉大さや自然の心に接し、より 「宇宙の心」 に近かったから、とっさにこのような答えとなったのであろう。
それを聞いた 原住民は畏れおののき走りさったという。 「俺は風だ」 と言うような人間は、彼らには自然の申し子のように見えたであろうし、とてもかなわぬ相手と感じたのであろう。
しかし、この写真家の 「俺は風だ」 という言葉は、とっさにでるものではない。 それは、まさに彼はアマゾンの密林を自分が風となって渡って来たのであり、風の心であったればこそ、実に素直に彼の口から出たのである。
だからこそ 「宇宙の心」 に一番近い未開の地の原住民の心に、このような畏敬の念を感じさせたのである。 「宇宙の心」 にアプローチするヒントを我々に教えてくれる話ではないであろうか。
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