Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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未来を予見する数式
 「確率的世界の到来」 では、現代社会が直面する 「混沌のカオス」 の中で進行する核の連鎖反応に見立てた 「負の連鎖反応」 の核心が 「確率論への移行」 にともなう 「確信の喪失」 であることを述べた。 数学としての確率論は賭け事における 「勝利の数式」 を見つけ出そうとするところから出発したことは知られた事実である。 それは株式投資においてしかり、カジノゲームにおいてしかり ・・ しかりである。 だがその数式が完成したとは寡聞にしていまだ聞いたことがない。
 確率論の目的はひと言で言えば 「未来を当てること」 への挑戦である。 その挑戦は 「タイムマシン」 の可能性を論じることと等価である。 未来は 「一寸先は闇」 であって、よくできた数式でたまたまある未来が予見できたからといってもその予見は完璧ではなく常に 「まさか」 という思わぬ出来事によって覆させられてしまう。 それはノーベル賞を受賞した経済学者が主催した投資ファンドが多大な損失をだして破産した例に現れている。
 未来を当てることは、還元すれば 「時間の非可逆性」 への挑戦である。 より分かり易く言えば 「後の後悔先に立たず」、「覆水盆にもどらず」 という自然の摂理への挑戦である。 そのような数式を人類は果たして見つけられるのであろうか?

2022.09.14


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