何を目指して生きるのか？ 行くあてのない旅は放浪であり漂流である。 生きる目的がない人生を喩えればかく放浪や漂流の旅に相似する。

　現代人は今、何に向かって生きたらいいのか分からなくなっているのではあるまいか？ その原因は前回掲載の 「言葉の退廃」 をもたらした意識世界の急激なる膨張（インフレーション）やエントロピの増大にともなう社会構造の複雑化等々と同じであろう。 言葉から力が失われてしまっては生きる目的が分からなくなってしまってもあながち無理な話ではないし、社会の礎をなす言葉の約束が 「10に1つの確率」 となってしまっては生きる目的はおろか自らの居場所さえ分からなくなってしまったとしても何ら不思議な話ではない。