「 E=mc2 」 をニュートンの運動方程式として考え、宇宙を大きな
「宇宙船」 と考えれば、我々はその宇宙船に乗って、いずれの方向かは不明であるが 「光速度で飛行している」 ことを示している。
さらに相対性理論が正しければ、物体の速度が光速に近づくにつれて時間はゆっくり進み、光速に達すると 「時間は停止」 してしまう。
つまり、我々の乗った宇宙船は光速度で飛行しているわけであるから 「宇宙船内の時間は停止している」 ことになる。 これが 「時は流れず」
とした 「私の根拠」 のひとつである。 光速度飛行している宇宙船に乗っている我々にスピード感がないのは、宇宙船の移動が 「等速度運動」
のためである。 ニュートンの運動方程式では、物体は外部から力を加えない限り、静止を続けるか、等速度運動を続けることを規定している。
力を加えると物体に加速度が生じ、物体は加速するか、減速する。 我々が感じるスピード感とはこの加速度の変化であって、加速度がない
「等速度運動」 とは、本質的には 「静止状態」 と変わりがない。 ただ異なるのは等速度運動を続ける物体(ここでは宇宙船)が運動エネルギをもっていることである。
その運動エネルギは 「慣性エネルギ」 と呼ばれる。 「 E=mc2 」 はこの慣性エネルギでもある。
その莫大な大きさを、我々は一般に物質がもつ 「核エネルギ」 として、原子爆弾の爆発力をもって実感しているが、物質がもつ 「慣性エネルギ」
として、例えば重さ 1kg の石を、光速度 30万km / s (1秒間で地球 7回半する速度) で壁に衝突させた破壊力をもって実感することができる。
さらに我々の乗る宇宙船(宇宙)が等速度運動を続けることは宇宙船(宇宙)には外部から力が作用していないことを物語っている。 それはまた物理学で最も基本的な法則とされる
「エネルギ保存則」 が宇宙船(宇宙)の内部で成立していることを示している。 いうなれば我々が搭乗している宇宙船(宇宙)は 「孤立無援」
の状態で飛行しているのである。
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