人倫の世界を囲む宇宙には 「エネルギ保存の法則」 と呼ばれる根源的秩序が内蔵されている。
その大法則からすれば人倫の法則としての 「自己保存の法則」 などその片隅の一部を構成しているにすぎないのである。 エネルギ保存の法則を簡潔に説明すると
「宇宙の万物事象はいかに流転し変遷してもその前後でエネルギの総量は一定に保たれる」 というものである。 前記した 「神の拳」、「天の配剤」、「宇宙の天秤」
等々の力はすべて宇宙内蔵秩序としての 「エネルギ保存の法則」 から導かれるものである。 現代人がこの宇宙の大法則を自覚する限り危機は乗り越えられるように思うが、本末を転倒させてその大法則を人倫に基づいた自己保存の法則で書き換えるようなことになれば人類の命運も
「もはやそれまで」 ということになってしまうであろう。
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