Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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存在の目的
 過去や未来が含まれているとする現在とは 「Pairpole 宇宙モデル」 でいえば時空間を時間で微分した 「刹那宇宙」 のことである。 他方。 過去・現在・未来と線形時間で連結された宇宙は時空間を時間で積分した 「連続宇宙」 である。 刹那宇宙は時間 「0」 の宇宙であるからして時間経過に帰因する因果律は成立しない。 連続宇宙は時間が経過する宇宙であるからして因果律が成立する。 時間 「0」 の刹那宇宙ではすべての事象が超因果律的に生起消滅する。 時間が経過する連続宇宙ではすべての事象が因果律的に原因と結果で生起消滅する。
 結局。 「期限の消滅」、「存在の時めき」、「永遠は瞬間にあり」 で論考したことはすべて、刹那と連続で構成された Pairpole 宇宙モデル の胎動からすれば当然の帰結なのである。 思考は巡って原点に回帰したようである。 であれば今の今をとらえた現在を描いた 「期限の消滅」、「存在の時めき」、「永遠は瞬間にあり」 の描象が、心理学者、ユングが提唱した 「共時性」 の態様そのものに一致することもまた必然の帰結である。
 共時性はまた 「目的論」 と呼ばれる。 刹那宇宙である現在に象出する 「意味ある符号(予兆)」 がいったい何を目的としているかということである。 だがその目的の探求には時間経過で構成される因果律を使用することはできない。 すべては超因果律的なアプローチで挑まなくてはならない。 結論から言えば、探求の方法として因果律を基にした認識学や論理学等々の思考法は用を為さないであろう。 科学的合理性を強固に信じる現代人にはいかにも不評ではあろうが、ここは非論理的な 「直観」 などを基にした超因果律的な方法を駆使する以外に他に道はないのである。

2019.03.07


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