未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
経済構造の変質(1)〜生産財から消費財へ
生産財と消費財。 かっての社会は物が不足していたため経済の根幹がその物を生産する生産財(生産設備等)に重点が置かれていた。 だがその物の不足も解消された現在では生産財よりも人間生活が消費する消費財へと経済の根幹が移行しつつある。
消費財とは消費者が自分または家族が、消費あるいは使用する目的で、購入する製品のことである。 経済の根幹が生産財から消費財に移行するにつれて経済指標の重点もまた変化する。 現在の政治経済が論じる多くの指標はその消費の動向をとらえたものである。 換言すれば、いかに消費が拡大しているかの指標である。 そのためには今年の夏が昨年とくらべて暑いか涼しいかが大きな関心事となり、消費税を 8%から 10%へとアップさせるか否かが時の総理大臣の死活を制する最重要課題となる。
かって生産財が経済の根幹を占めその拡大が叫ばれていた頃は 「消費は美徳」 だと使い捨ての大量消費が喧伝された。 消費は生産財の拡大を支えるためのものであって、構図は生産財が主で消費財が従であった。 経済の根幹が消費財の拡大へと移行すれば、構図は逆転して消費財が主で生産財が従とならざるを得ない。
つまり、生産財は消費財の拡大を支えるものへと転位する。 あるいはやがて 「生産は美徳」 だと使い捨ての大量生産が喧伝される日が訪れるかもしれない。
Pairpole 宇宙モデル
の帰結である 「禍福はあざなえる縄」 という 「陰陽2重螺旋構造」 から考えれば事態はそのように変化することになる。
2018.11.29
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