未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
意識跳躍〜想像と現実の対立と融合
想像は自由に飛翔することができる。 だがその想像の飛翔は現実によって制約される。
「現実はそうあまくはない そんな夢のようなことを考えていたら 食ってはいけない」 というとき 「現実(食ってはいけない)」 という制約が 「想像(夢のようなこと)」 をたちまち幻想に貶めてしまうのである。 だが 「夢のようなことを考えなければ 現実は変えられない」 ことも事実であって 「現実は想像によって制約される」 とも言えるのである。
以上の構図を還元すれば 「現実は想像を制約し 想像は現実を制約する」 となる。 と同時に視点を換えれば 「想像がなければ現実はなく 現実がなければ想像はない」 となる。 前者の視点は 「想像と現実の対立」 であり、後者の視点は 「想像と現実の融合」 である。
科学的合理性に導かれた物質還元主義に傾倒する現代人からすれば 「想像よりも現実に重きを置く」 のが常識的見解であろう。 がゆえに想像と現実の対立では現実に軍配が上がり、想像と現実の融合では現実が主体となる。
現代社会の様相はまさしくその通りとなっている。 現代若者気質の 「誇りで飯は食えない」 という口上がそのことを能弁に語っている。
だが、科学的合理性に基づいた物質還元主義への度を超した傾倒が人類を無能化させ破綻点に導くことは、
第1210回
「人類の破綻点〜尊厳の喪失」 で述べたことである。
破綻点を回避するためには核心となっている 「物質還元主義への度を超した傾倒」 からの離脱であるが、具体的に言えば 「想像と現実を区別することなく均等に扱う」 ことである。 そこから導かれる帰結は 「想像は現実であり 現実は想像である」 とする 「意識跳躍」 である。 あるいは、その跳躍が量子論が説明する 「トンネル効果」 のような効果を 「破綻点突破」 にもたらすかもしれない。
2018.06.01
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