未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
人間失格
人類は機械を開発して肉体的労働から解放され、コンピュータを開発して事務的労働から解放され、そして今、人工知能を開発することで、知的労働から解放されることをめざしている。
しかしながら、肉体的労働、事務的労働、知的労働から解放された人間に、いったい何が「のこされる」というのか?
リストラも限りなく追求すると、ついには自らをリストラしてしまう。続ければやがては「審判の日」を迎え「人間失格」の烙印を押されかねない。
「人間性の解放とは 即ち 人間性の収奪である」という皮肉な自己矛盾である。
かような矛盾を放置した「1億総活躍社会の実現」とは、いったい何を意味しているのであろうか?
言うなれば、人間としてのすべての労働を奪われた人々にむかって「何を どのように 活躍せよ というのか」ということである。
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2016.09.27
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