Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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感動しなければ
 人間活動における「未来予測」の重要性については前回(第859回)述べた。だがコンピュータにも予測できない未来をはたして人間が予測できるのであろうか・・? これもまたわからない。 だが人間に残された能力があるとするならば、おそらくはこのかいもく不明確な「未来を予測する能力」なのではあるまいか・・?
 コンピュータにできないとすれば「その予測能力」とはコンピュータが得意とする論理的(ロジック)なものではないであろう。したがって必要なものとは、左脳的な「知識」・「記憶」・「認識」・・等々の機能よりも、右脳的な「直観」・「想像」・「情緒」・・等々の機能であろう。コンピュータには「勘は働かない」であろうし、「夢やロマンは描けない」であろうし、私を好きかと聞いても「答えられない」であろう。
 現代人は左脳を発達させることには熱心でも、右脳を育むことにはあまり熱心ではない。だが人間がいくら左脳を発達させてみても「左脳の達人」であるコンピュータには勝てない。せいぜいコンピュータの助手にでもなれればいいところである。コンピュータに先んじるためにはコンピュータがもたない右脳を増強させる以外に他に方法がない。
 ゆえに人間は「想像しなければならない」のであり、「夢を描かなければならない」のであり、なにより「感動しなければならない」のである。

2015.04.07


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