フォッサマグナとは、日本の主要な地溝帯の一つで、地質学においては東北日本と西南日本の境目とされる地帯であり、中央地溝帯・大地溝帯とも呼ばれる。語源はラテン語のFossa Magnaで、「大きな溝」を意味する。本州中央部、中部地方から関東地方にかけての地域を縦断し、西縁は糸魚川静岡構造線、東縁は新発田小出構造線及び柏崎千葉構造線とされる。フォッサマグナは、その西縁と東縁で囲まれた「面」であり、5億5,000万年前〜6,500万年前の古い地層でできた本州の中央をU字型の溝が南北に走り、その溝に2,500万年前以降の堆積物や火山噴出物でできた新しい地層が溜まっている地域である。この大きな地質構造の違いは通常の断層の運動などでは到底起こり得ないことで、大規模な地殻変動が関係していることを示しているという。ちなみに松本市から北上した山地に広がる四賀村に建つ四賀村化石館には全長約5.5m、世界最古のマッコウクジラの化石が陳列されている。昔日、化石館を訪れた私はその化石を前にして、この地が海底にあった太古の風景を思い描いて嘆息したことを覚えている。村の標高は900m〜600mに位置する。
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