幹細胞の新たな製作法が若干30歳の女性研究員の手によって発見された。この幹細胞を「STAP細胞」と命名したとのことであるが、この方法は「iPS細胞」の製作法よりも自然であり、簡単であり、安全であるという。酸などのストレスを与えることでなぜ細胞の初期化が起きるのかのメカニズムはいまだ分かっていないということであるが、人類はときとしてこのような発見に遭遇する。それは「瓢箪から駒」を地でいくような出来事である。
こうしてみると大きな発見とは人知を越えて何方からやって来る「謎の訪問者」のようである。理由はわからないが、それは「現れる」のである。同じように突然変異もまた、理由はわからないが突然に「起きる」のである。理由はわからないとしても、「現れたり」、「起きたり」したあとの世界は、その謎の訪問者によって大きな変化がもたらされることは「まぎれもない事実」である。