未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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宇宙の帰納と宇宙の演繹
この世の万物事象の真理を次々に帰納すれば、やがてはたったひとつの「大真理」に帰納されるであろう。 だが問題は帰納された大真理の演繹である。
宇宙を帰納した「大真理」はこの世の頂点に「たったひとつ」しか存在しないが、宇宙を演繹した「不明」はこの世の局所に「無限」に存在する。
無限の不明とは、換言すれば「この世の不可解」であり、宇宙の演繹とは、この無限の不可解への挑戦である。
生きるとは結局、帰納された「たったひとつの大真理」を、宇宙局所に散在する「無限の不明」に対し、有効に演繹することである。王陽明が言った「知行合一」とは、かかる「花も実もある」宇宙の帰納と宇宙の演繹のことであろう。
文 /
柳沢 健
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