私が見る「その石」と、あなたが見る「その石」が、同じ存在であることはどのように証明できるかを考えてみる。 私はその石を鉱物組成から「花崗岩」であると解釈する。あなたはその石の大きさと重さから「漬け物石」と解釈する。この両者の解釈は、ともに「その石」の存在を述べている。 その石は「花崗岩で、漬け物石」である。 またある人は、その石を「庭石」と解釈し、またある人は「青い石」と解釈し、またある人は「丸い石」と解釈する。であれば、その石は「花崗岩で、漬け物石で、庭石で、青い石で、丸い石」である。 このように、その石の存在は、無限に続く解釈の記述となる。
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