未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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情報通信技術の転換
物質を根源的に追求すると「光」に行き着く。
現代物理学の基礎を構築するアインシュタインの相対性理論は「光速度一定」の定義の上に成立している。光は「情報伝達手段」であり、物質に付帯する情報はこの光により伝達される。簡略に言えば、我々は光を介在することにより、この世界の万物事象を「眺める」ことができるのである。最近の高速情報通信回線は光信号によって行われている。この宇宙で最も速い、秒速30万Kmの光の速度を使用する「光ファイバー通信」がそれである。
意識を根源的に追求すると「思い」に行き着く。
思いもまた「情報伝達手段」であり、意識に付帯する情報が伝達される。我々の思いが相手に届く速度は光速度どころではない。言うなれば到達時間0の「無限大の速度(つまり、瞬時)」に伝達される。
この宇宙は物質情報を伝達する「光(デジタル通信)」と意識情報を伝達する「思い(アナログ通信)」で満ちている。さまざまな科学技術の発達により、我々の物質情報受信能力(光を使用するデジタル通信の受信能力)は飛躍的に向上したが、意識情報受信能力(思いを使用するアナログ通信の受信能力)は著しく低下している。
21世紀は物質を中心とする文明から意識を中心とする文明にシフトすると言われている。であれば、思いを基本とする意識情報通信技術(アナログ通信技術)を向上させる必要がある。光で眺めていた今までの物質文明の宇宙風景は、思いで眺めることで意識文明の宇宙風景に様相が一変、まったく新しい光景となって我々の前に顕れることであろう。
文 /
柳沢 健
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