松本盆地と諏訪盆地を隔てる峠が塩嶺峠である。地元の人々は塩尻峠と呼ぶ。以前、この公園の少し上にある展望台までは来たことがあったが、周囲にこのような公園があることは知らなかった。かっては吉川英治の「宮本武蔵」などで紹介された名勝地であったという。また小鳥の森としても有名で、日本の音風景100選に選ばれた名所で、毎年5月と6月の毎週、日曜日早朝、小鳥バスが運行され、県内はもちろん東京や遠くは北海道まで日本全国からこの自然を訪れ、現在50種類ほどの野鳥が生息しているとのことである。訪れた公園には確かに野鳥の鳴き声が林間にこだましていたが、放置された施設の荒廃はどうしたことであろうか
・・ このままでは草深い原野に回帰してしまいかねない。 だが ・・ よくよく考えてみるに、それゆえの閑寂の風情が、わびさびを愛する数奇者や風流人にとっては、また格別の趣なのであって、「嘆くにはあたらない」のかもしれない。
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