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ビジョンウィンドウから眺める信濃の四季

窓の向こうに世界が見える〜信州つれづれ紀行から
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萬休院の舞鶴松 / 山梨県北杜市武川町
命運
 鶴が舞う姿に似ているところから「舞鶴松」と名付けられ、国の天然記念物に指定されていた樹齢450年を経た赤松も地球環境の変化には勝てず、マツクイムシの被害にあい、樹木医らによる治療の甲斐無く枯死、平成20年3月26日に伐採された。その後、3代目にあたる「舞鶴松」が植樹され、平成20年9月27日には式典が行われた。
 高台にある萬休院を訪れたのは陽も西に傾いた午後も遅くであり、あいにくの逆光での撮影となってしまったのだが、それはそれ、この松がたどったであろう「命運」を感じさせるたたずまいを醸し出していた。ときおり麓から吹き上げる強風が周囲の木々をゆらして渡っていったが、風が凪いで静寂が訪れると、ゆく季節を惜しむかのように、小さな蝉の声がどこからとなく聞こえてきた。
文・撮影 / 柳沢 健
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