ドイツ語で「美しい庭」を意味する「シェーンガルテン」は、カナダのブッチャードガーデンをモチーフに造られた庭園とのことで、500種類ほどの樹木や花が季節にあわせて楽しめる。長野自動車道麻績I.Cから大岡村に至る道筋の高台にあり、北アルプスの眺望が絶品である。そして何より、信州の片田舎にあって、周りに「何もない」ことが、最も素晴らしい。名だたる観光地が閑古鳥の昨今、このような「ひなびた田舎の自然」が、何より現代人のこころを引きつけるのかもしれない。成熟とは、いつの世もそのようなものである。

文・撮影 / 柳沢　健