長野県の佐久と群馬県の富岡を結ぶ国道254号、毎年9月になると奇岩で成る内山峡に沿って全長約
9kmに渡るコスモスのフラワーベルトが出現する。 「コスモス街道」 である。 昭和47年、地元の老人クラブが国道に沿ってコスモスを植えたの始まりで、今もなお地元の人々によって手入れが行われているという。
訪れるのは2度目であり、前回は奇岩を背景にしたコスモスを撮った。 今回は折しも開催されていた 「佐久高原コスモスまつり」 の会場付近を撮る。
会場に流れる時代ものの歌謡曲は地元の人々の気持ちを代弁して微笑ましくもあった。 秋桜とあて字されるコスモスの風情は可憐であるとともにどこか内に寂しさを湛えているように感じられる。
か細い茎の花頭を揺らして渡る風に乗って高く低く聞こえてくる懐かしのメロディはその哀感にピタリと一致した。 コスモス街道はまた
「メルヘン街道」 でもあった。
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